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リトリートはこのようなメニューで行われました。プログラムの内容も、スケジュールも、事前に決まってはいません。何を語り、どのように行うかは、参加者のみなさんと、その場の雰囲気を見て、ご夫妻が決定します。リトリートは一期一会のライブなのです。

座る瞑想

座る瞑想は一日の最初のプラクティス。朝目覚めてすぐ、アン・フーンさんのリードによるガイド付きで行われます。静かに座り、呼吸を深く見つめ、いま自分の身体の内と外に起こっていることに気づいていきます。厳格なイメージのある「座禅」ではなく、ただここにいて、呼吸を楽しみ、座ることを楽しみます。

歩く瞑想

​朝の食事のあと、手を取り合って会場の外を歩きます。みんなで一つの河になって、一歩一歩、マインドフルのスタンプを大地に捺すように、呼吸と共に歩きます。木々のざわめき、うぐいすやキビタキの声、朝の空気の匂いが一層鮮やかに感じられます。

エクササイズ

歩く瞑想で屋外に出て、トゥさんのリードで動物になりきるエクササイズ。身体全体を使って、おもいっきり変顔をして「モンキー」になった時はみんなが子供に返りました。

食べる瞑想(食事)

食事は大切なプラクティス。「この食べ物は、天と地とたくさんの生きもの、多くの労働の恵みです」という『五観の偈』を唱え、ゆっくりと時間をかけていただきます。

このリトリートの食事は、セミナーハウスのシェフの全面協力で、動物性食材を全く使用しないベジタリアン食を、様々に工夫して提供いただきました。近隣で採れた新鮮な野菜をふんだんに使い、だしは昆布で、白砂糖はブラウンシュガーに。味付けは塩分を控えたローソルトで、ドレッシング類はすべて手作りです。ご夫妻からも、参加の皆さんからも大好評でした。

トータル・リラクゼーション(深いくつろぎの瞑想)

トータル・リラクゼーションは横たわって行う瞑想。全身の緊張を解き、身体の各部分に意識を向け、気づきのエネルギーを送ります。身体が芯からリラックスし、頭のなかの不要な思考の回転がゆっくり停止していきます。眠りと覚醒の波打際で横たわる、とても心地よいプラクティスです。

クッキーの瞑想

ティーブレイクの時間も瞑想です。五感を総動員し、1枚のクッキーを、その中に宇宙のすべてが含まれていることを理解しながら、深く味わっていただきます。

このとき食べたクッキーは、このプラクティスのために卵やミルクを使わずに特別に焼いてもらったものです。

歌う瞑想

このリトリートでは、歌と音楽がとても大きな役割を果たしました。「ナモ・アヴァローキテシュヴァラ(南無観世音菩薩)の美しいチャンティング、プラムヴィレッジ・ソングの数々、アン・フーンさんの、みんなの心のなかに住むインナーチャイルドを歌った歌。

子供の頃から歌っている日本の歌を聞きたいとアン・フーンさんにリクエストされ、「ふるさと」を歌ったときは、会場にあたたかい思いが満ち溢れました。

楽器のできる参加者の方が即席のバンドを組んで、すばらしい伴奏をしてくださったことも忘れられません。

 

ダルマ・シェアリング

ダルマ・シェアリングは、自分の感じたこと、話したいことを、サンガの仲間たちと分かち合う場です。話し手が自分の心の中を安心して出せるよう、聞き手はその人の存在に100%向き合い、心を傾けて深く聞きます。今回は、約60人が4つのグループに分かれ、ファシリテーターのガイドのもと、様々な思いを語りました。ダルマ・シェアリングは「話し合い」や「問題解決」の場ではありません。心をこめて話し、深く聞き、理解のこころを育てる美しいプラクティスです。最後の日には全員が一つの輪になってのシェアリングとなりました。

ダルマトーク(法話)

ダルマトークは、いわゆる「法話・説法」なのですが、アン・フーンさんのダルマトークは、講義あり、物語あり、対話あり、決まった形のないライブトークです。

最初の法話はアン・フーンさんがここに到着してすぐに出会った友人についてのお話から始まりました。その友とは、窓辺のマグノリアのつぼみ。一夜が明けたらその姿はすでに変わっていました。この世界はimparmanent(無常)であり、無常であるからこそ世界が存在するのだという理(ことわり・ダルマ)について説き起こされました。

その他、唯識論のマナ識(自我・執着を生む心の働き)についてのわかりやすい解説、身体に働きかけて心を開放する「タッピング瞑想」のやり方、インナーチャイルド(自分の中にいる傷ついた子ども)の癒やし方、参加者の質問に答えるQ&Aなど、3日間に渡り、様々な角度からお話をしていただきました。

Q&Aでは、トゥさんが世界的な大銀行の副支店長だったという驚きの過去も明らかに。

ノーブル・サイレンス

夕食時から、翌日の朝食が終わるまではノーブル・サイレンス(聖なる沈黙)。

沈黙を守り、内なる自分と向き合う時間です。

​この沈黙のプラクティスが、リトリートの静謐な空気を守る特別な役割を果たしています。

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